子供はケンカするもの
分かっていても、毎日ケンカされては、イラつきますよね?
少しでもケンカを減らしたい!と思うのは、当たり前です。
今回は、育児中のママに役立つ『子供のケンカの対処法』を紹介します。
私は、元小学校教諭です。
約10年間、現場で働いてきました。
現在は、小学生と幼稚園児のママです。
小学校では、毎日ケンカが勃発します。
限られた時間の中、子供たちの話を聞き、ケンカを解決していきます。
ケンカの対処法のポイントは、『カウンセリングマインド』
- 受容(じゅよう)
- 傾聴(けいちょう)
- 共感的理解
ここでは、私が教師時代に学んだカウンセリングマインドを元に、育児でも役立つケンカの対処法を解説していきます。
詳しく、見ていきましょう!
仲裁に入る?子供のケンカ見極め方

本題に入る前に『子どものケンカに大人は介入しない!』とよく耳にしますが、全てのケンカに当てはまるわけではありません。
手を挙げるケンカは、すぐに仲裁に入りましょう。
暴力以外の口ケンカは、見守ることも必要です。
ですが、あまりにも心ない「バカ!」などの言い争いは、子どもの感情がヒートアップする前に、仲裁に入るとよいでしょう。
口だけで収まらず、手が出やすくなるからです。
仲裁に入るときのポイントは、中立の立場を心がけること
どちらか一方の味方になってしまうと、不公平になり、『仲直りの話し合い』がうまくいかなくなってしまうからです。
我が家は上の子5歳、下の子3歳の時に、手が出るケンカが頻発!
間に入って止めると、止められたことに逆上し、私に攻撃するなんてことも…
仲裁の入り方に、頭を悩ませました。
ママは関係な~い!!!
入ってこないで!!!
学校現場では有効でも、我が身になると上手くいかないことも多々あります…。
ケンカ後は『仲直りの話し合い』

ケンカした後は『仲直りの話し合い』が必要です。
ケンカしっぱなしでは、人間関係やコミュニケーションを学ぶことができないからです。
『仲直りの話し合い』は、何をすればいいの?
ポイントは、カウンセリングの基本である『受容』『傾聴』『共感的理解』です。
この3つを意識しながら、大人は、『仲直りの話し合い』に関わるようにします。
カウンセリングの基本を意識しながら、人と接する態度や心構えのことをカウンセリングマインドと言います。
受容(じゅよう)
相手をそのまま受け入れること。ポイントは、否定も肯定もしない。
傾聴(けいちょう)
黙って聞くのではなく、うなずきやあいづちを打って、相手の話を聞くこと。
共感的理解
相手の立場に立って、理解しようとする態度のこと。
一人ずつ話を聞こう

まずは何があったのか一人ずつ話を聞く方が、落ち着いてケンカを振り返ることができます。
学校現場では、複数で一気に話を聞いた方が指導する時間が短くなるような気がしますが、子ども同士が目配せしたり、力関係によって言い出しにくかったりするので、指導時間は取られますが、一人ずつ話を聞くことが近道になりました。
ステップ1:本人の言い分を聞く
子どもの気持ちを吐き出してもらいます。
ポイントは、自分の気持ちとケンカの状況を振り返させることです。
話を聞く大人は、ケンカの状況を把握することができます。
言い分を聞いている時は、カウンセリングマインドでいう『受容』と『傾聴』を大切にしましょう。
子どもの話をうなずいたり、「そうなんだ」とあいづちをうったりして聞きます。
子どもは、大人に話を聞いてもらったという実感を持つことができ、気持ちが落ち着いてくるからです。
話を聞くことに徹し、大人の意見は挟まず聞きましょう。
ステップ2:本人の気持ちを受け止める
子どもの気持ちを受け止めましょう。
中には「自己中だな…」「何、言ってるの?」という気持ちが大人側に出てくることもあります。
それでも、気持ちを受け止め、子どもに『共感的理解』を示しましょう。
子どもが「わたしは悲しかった!」と言った場合、「○○は悲しかったんだね」と、言葉を復唱するだけでかまいません。
ステップ3:相手の気持ちを考えさせる
自分の気持ちが整理でき、大人に聞いてもらったと実感した後に、ケンカした相手の気持ちを考えさせましょう。
「どうして○○はこんなことをしたんだろうね?」と問いかけてみます。
大人が「~したから、相手は叩いたんじゃないの?」など、結論を急いではいけません。
次に同じことが起きても、また同じことをしてしまいます。
ケンカを学びの場にするためには、自ら気づかせるような声かけを大人がする必要があります。
ステップ4:自分のしたことに気づかせる
自分にも非が合ったと認めた場合、話し合いは順調に進んでいます。
中には、「自分は何もしていない!」と言う場合があります。
(本当にそういう時もありますが…)
そんな時は「そうなんだ。」と受け止めてから「相手の話も聞いてみよう」と促しましょう。
「あなたも悪い!」と、大人が結論を急いではいけません。
あくまでも、ケンカした本人が自分で問題に気づくことが大切なのです。
当事者で話し合おう

一人ずつ話を聞いた後で、やっとケンカした当事者を集めて『仲直りの話し合い』をすることになります。
ステップ5:アイメッセージで伝えさせる
一人ずつ自分がされて嫌だったことを伝えます。
この時に注意することは「どうして~したの?」ではなく、「私は~されて嫌だったよ」と、アイメッセージで伝えることです。アイメッセージとは?
『私メッセージ』とも言います。
私を主語にして、自分自身がどう感じているかを伝える言い方のことです。
対になる言葉として『ユーメッセージ』があります。
あなたを主語にして伝える言い方のことです。
「あなたは~した」という言い方になるので、相手を非難する伝え方になりがちなので、注意が必要です。
相手を攻めても解決しないこと、仲直りのための話し合いをしていることを、ケンカした子どもたちに伝えることが大切です。
ステップ6:相手の気持ちを受け止め、自分の行動を振り返させる
一人ずつ嫌だったことを伝えた後は、相手の気持ちを受け止めさせましょう。
自分の行動を振り返るように大人は声かけします。
Aさん:「押されて痛かったよ」→自分の気持ちをアイメッセージで伝える
Bさん:相手の気持ちを受け止める→押したことを認識する→「押してごめんね」
この時、大人が「謝りなさい」「ごめんね言おうね」ではなく、「なんて言えばいいかな?」と促すことで、子どもは自発的に謝るようになります。
早く解決したいからと、謝罪を強制しないことです。
「先生に言われたから謝った」となると、本当の解決にならないので、私は特に気をつけていました。
ステップ7:言い残しはないか確認する
- 『自分の嫌だったこと』
- 『相手が嫌だったこと』
- 『自分が謝るべきこと』
- 『相手が謝るべきこと』
この4つを確認し合ったところで『仲直りの話し合い』は終了です。
ですが、最後にやっておくとよいことが1つあります。
それは、言い残したことはないか確認することです。
- 話し合いの時は言えなかった。
- 本当は納得してなかった。
など、子どもの中でモヤモヤする気持ちはないか確認しましょう。
子どもたちが納得したか確認し、スッキリしたところで、本当のケンカの解決になります。
ステップ8:話し合いできたことを褒める
『相手の話を聞くことができたこと』『自分の思いを相手に伝えられたこと』そして『仲直りできたこと』を、私は褒めるようにしていました。
先生に指導を受けたというマイナスイメージよりも、褒められたというプラスイメージで話し合いを締めくくることができるからです。
最後に褒める方法は、家庭でも有効です。
ママに褒められた、分かってもらえたという気持ちから、子どもの自己肯定感を高めることに繋がります。
【まとめ】子供のケンカ対処方法

子供の【ケンカ対処方法】をまとめると、3つでした。
- 手を挙げるケンカは、大人が仲裁に入りましょう!
- 一人ずつ話を聞きましょう【受容と傾聴を大切に】
- ケンカした子供たちで話し合いましょう【共感的理解を大切に】
毎日同じようなことで、子どもはケンカします。
うんざりしますが、人とのコミュニケーションを育むためにはケンカは必要です。
ケンカは子どもが成長するために必要なプロセスだと考え、大人はケンカした後の仲直りサポートに徹するようにしましょう。
ここまでお読み頂き、ありがとうございました。
2019/11/28
アキ